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Posted by さがファンブログ事務局  at 

2008年01月13日

台湾旅行記~その3

台湾中部の都市・台中県台中市は、台湾第三の大都市です。台北から新幹線で50分程度の場所です。妹のフィアンセは台中県の出身です。彼は高校卒業と同時に、渡米して、国立カリフォルニア大学デービス校(USD)で経済学を修め、現在は日系在米法人のLAオフィスに勤務するビジネスマンです。現在はMBAを取得するため、勤務の傍ら大学院にも通っています。

さて、台中市ではフィアンセの親族の案内で、披露宴まで空き時間を使い市内を周遊しました。我々が日本人ということもあって、「日本的」なスポットを案内してくれました。まずは、台中公園。ここには、戦前、宮様(閑院宮載仁親王)が訪問したことがあり、公園の案内版にも書いてありました。台湾の人にとっても、「日本の皇族が来た」というのは大変名誉なことだそうです。また、敗戦の混乱期に倒された「鳥居」も残っています。



閑院宮載仁親王が植樹した木の案内版



倒された鳥居

公園内を散策していると、とある老人が我々に近づいてきて、「あなたたちは日本人ですか?」と日本語で尋ねてきました。アジア諸国で「日本人ですか?」という投げかけは、けっこう冷や冷やします。いくら台湾人が親日的、と言ったところで、やはり植民地支配をしたことは事実で、当時、日本人と台湾人の間には明確に差別があったことは覚えておくべきでしょう。その老人は、「私は昭和3年生まれです! ここには宮様がお越しになりました!」と元気よく気さくに話しかけてきました。つまり、彼は人生の3分の1を「日本人」として過ごし、日本の制度のもとで教育を受けてきた世代というわけです。よって、日本語も極めて流暢。そこまではよかったのですが、その老人は、「台湾は中国ではない。台湾は国だ!」との発言に及び、我々も返答に苦慮しました。(笑) 後日、家族がこの老人に手紙を送ったら、早速返信あり、そこには「台湾国台中市・・・」と住所が書かれてありました。



日本語が流暢なご老人

台中公園の次は、台中市政府(市役所)と台中駅を見て回りました。台中市政府庁舎は、日本統治時代、台湾総督府台中州庁舎として日本が建設した建物です。白亜の美しい「日本的」西洋建築の建物です。台中駅は台湾国鉄在来線の駅で、この駅舎も日本統治時代に建設された、やはり「日本的」西洋建築の建物です。どことなく、東京駅の駅舎と共通点を感じませんか?



台中市政府庁舎(旧・台湾総督府台中州庁舎)



台湾鉄路管理局(台湾国鉄)台中駅の駅舎

台中市内周遊の後、いよいよ妹夫婦の披露宴に出席。正直言って、なかなか“激しい”披露宴です。そのあたりは、やっぱり「中華的」なんですよね。(笑) 新郎新婦及び両親兄弟、歌を歌わされますし(私は拒否しました・・・)、お酒はたくさん飲まされます。私もかなり酔っ払い、翌日は二日酔いの悩まされる有様でした。



披露宴の様子(数百人の参加者で盛大です)

こうして3回にわたって、台湾レポートをさせていただきましたが、今回、台湾を訪れて、台湾と台湾人のことが好きになりました。台湾人は温厚で、とても親切です。なによりも南国人っぽい、明るさがあります。機会があれば、また訪れたいと思います。皆さんもぜひ一度訪れてみてください。最後の写真は、私が自分のお土産に、と購入した台湾国鉄のレトロなオブジェです。駅の売店で一目惚れして購入、自宅のピアノの上に飾っています。(了)



台湾国鉄のレトロなオブジェ
  


Posted by yoshinori  at 23:23旅行

2008年01月12日

台湾旅行記~その2

台北市は、台湾の中央政府がある大都市です。いわゆる、中華民国の事実上の首都です。戦後の台湾の経済成長は目覚ましく、香港・シンガポール・韓国と並び「アジアの四小龍」といわれてきました。その台湾の首都だけあって、街は先進国にひけをとらないほど近代化されています。

台北の新名所といえば、「台北101」(タイペイイーリンイー)という高層ビル。101階建てなので通称「台北101」と呼ばれていますが、当初は「台北国際金融センター」と命名される予定でした。竣工当時は世界一の高層建築でした。施工は日本のゼネコン・熊谷組が担当しています。下層階はショッピングモールになっており、ブランド店やレストランが軒を並べています。



ライトアップされた夜の台北101ビル

台北では他に、「台湾民主紀念堂」に行きました。ここは我々が行く少し前までは、「中正紀念堂」と呼ばれていました。「中正」とは、中国国民党主席で、台湾の蒋介石初代総統の顕彰施設、というより崇拝施設(プロパガンダ)でした。台湾の公称は「中華民国」であり、辛亥革命で清朝を倒した孫文を建国者としています。孫文の後継者が蒋介石で、彼は若い頃、日本にも留学経験があります。

近年、内省人の陳水扁総統の方針で、「脱中国化、台湾化の促進」の一環として、この施設は「台湾民主紀念堂」に改められました(※内省人・・・戦前から台湾に居住している人、外省人・・・戦後に中国国民党とともに大陸から台湾に渡ってきた人)。従来までこの施設は、中華民国軍の儀仗隊が常時警衛にあたっており、定時に行われる衛兵交代のデモンストレーションは観光名物でした。しかし、今では上記のような政府の方針により衛兵も撤収しています。(後に国民党の外省人・馬英九政権になって再び「中正紀念堂」と改められ、儀仗隊警衛も復活したそうです。) ちなみに蒋介石は、台湾接収後、民主化運動を弾圧し、外省人と内省人とを厳しく差別したため、台湾人(内省人)からはあまり好かれていません。



台湾民主紀念堂(中正紀念堂)



蒋介石総統の巨大な銅像

台北では地下鉄にも乗りました。日本の地下鉄とほとんど同じ感じです。ただ、車両が日本の地下鉄に比べて少しコンパクトな気がしました。都営大江戸線をイメージしてもらえればよいかと思います。駅も車両も清潔で、乗客も日本以上にマナーが良いと感じました。写真は台北の地下鉄の駅ホームの様子です。日本の地下鉄の駅と同じ光景でしょう。



台北地下鉄の駅ホームの光景

台湾を訪れて感じたことは、戦後、台湾と台湾人が「幸せになろう」、「豊かになろう」と努力を重ねてきた歴史です。台湾は現在、多くの国々から国家として承認を受けていません。国際連合にも加入できないでいます。これは政治的な理由によるものですが、私の個人的な感想としては、これだけ社会インフラが整備され、経済的にも国際的な役割をきちんと担っている。国民の教育水準も高く、民主主義も自力で獲得し成熟させつつあるこの国が、国家として承認されないのは、いささかおかしいと思います。世界中には、国家としての体をなしていない国なんてたくさんあり、国民が虐げられている専制国家も未だにあります。国際法上でいえば、敗戦により日本が台湾統治を放棄し、中国(当時の中華民国)に返還しましたが、その中華民国が国共内戦に敗れて中国大陸を喪失、その後、中国大陸では中国共産党による中華人民共和国が建国され、現在、日本政府も中華人民共和国を中国を統治する唯一の合法的政府として承認しているため、法的には台湾は中華人民共和国の領土とするのが正しいことになります。しかし、「台湾と台湾人がどうあるべきか」という問題は、台湾人の自由意思によって決められるのが望ましいと思います。これから先、台湾人の民意によって、台湾の進むべき方向性が決められ、中国をはじめとした周辺国との友好関係を増進し、ともに発展し、豊かになれる日が来ることを期待したいと思います。

次回は台湾中部の都市・台中県台中市をレポートします。(了)  


Posted by yoshinori  at 00:14旅行

2008年01月11日

台湾旅行記~その1

2008年は、新年早々、家族で台湾に行ってきました。というのも、私の妹がアメリカ在住の台湾人と結婚したので、そのフィアンセの故郷である台湾での披露宴に出席するため、家族揃って行ってきました。

台湾といえば、かつて1895年から1945年までの50年間、日本の領土であったため、日本とも深い関係をもつ国です。さらに台湾人は親日的であり、性質は温厚で勤勉。それゆえに台湾に親近感を持つ日本人も多いのではないかと思います。



私たちが搭乗したチャイナエアライン東京成田発、台北桃園行き

台湾では、いくつかの「日本的」なものをみることができます。まず、建物。先にも述べたように、1945年まで日本の領土であったこともあって、日本統治時代に建てられた建物も数多く残っています。代表的なものを挙げれば、政府の施設など。どこの国でもそうですが、政府の建物は立派です。台北市の中心部にある総統府庁舎は、“台湾版ホワイトハウス”ともいうべき役割を持った建物ですが、これはかつて台湾統治のために日本が設置した「台湾総督府」庁舎を現在もそのまま使用しています。昭和天皇も皇太子時代に来たことがあるそうです。(まぁ、植民地にこういう荘厳な建物を建て支配する・・・というのは、「ここの支配者は誰か」ということを威圧的に示すシンボルともいえるのですが。) 日本の敗戦に伴って台湾に進駐してきた中国国民党の蒋介石が総督府庁舎を接収し、台湾支配の拠点としました。その後、国共内戦に敗れて大陸を追われて台湾に逃れた蒋介石率いる中国国民党は、台湾のみを実効支配するに至り、ここに総統府を設置しました。なお、総統府庁舎の横には、台湾司法部(日本でいう法務省、旧・台湾総督府覆審法院)庁舎があります。



台湾総統府(旧・台湾総督府)庁舎



台湾司法部(旧・台湾総督府覆審法院)庁舎

現代版「日本的」なものとしては、台湾新幹線があります。正式には「台湾高鉄」(タイワンガオティエ)、またはHSR=Hight Speed Railといいます。しかし、台湾の人たちは「シンカンセン」と言っています。台湾の南北を縦断する鉄道路線で、線路や信号などのインフラは欧州製、車両は日本製だそうです。車両は日本から輸入された700T型で、製造メーカーは川崎重工です。ですので、日本の新幹線そっくりです。私はこの台湾新幹線を利用して台北~台中(台湾中部の都市)間を往復しましたが、往路はエコノミークラス(普通車)、復路はビジネスクラス(日本でいうグリーン車)に乗りました。乗り心地も日本の新幹線同様、快適です。ビジネスクラスでは、茶菓子の無料サービスがあります。ビジネスクラスに乗るや、接客係の女性が茶菓子を持ってきたので、内心「いらないのになぁ」と思いつつ、ビジネスクラスに乗った見栄もあって、「多少銭?」(ドゥシャオチェン=中国語でいくらですか?)と聴くと、「不要、不要、Service!」(ブゥヤオ=中国語でいらない)との答え。日本のグリーン車よりポイント高いです。(笑)



台北駅で出発を待つ台湾新幹線、左営行き



ビジネスクラスの車内(ガラガラです・笑)

次回は引き続き台北市の様子をレポートします。(了)

  


Posted by yoshinori  at 17:20旅行